「アメリカズ・スイートハート:ダラス・カウボーイズ・チアリーダーズ」を見た感想。

Netflix
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Netflixのドキュメンタリーシリーズ『アメリカズ・スウィートハート:ダラス・カウボーイズ・チアリーダーズ』を観たので、その感想と調べたことをまとめました。

この作品は、2023年5月のオーディションから2024年1月のフットボールシーズン終了まで、ダラス・カウボーイズ・チアリーダーズ(DCC)のメンバーたちを追った全7話のドキュメンタリーです。

ドキュメンタリーらしいリアルな描写

一般的なリアリティ番組でよくある、メンバー同士の対立やドラマチックな演出は一切なし。個々のオーディションからシーズン終了までの道のり、そして私生活が淡々と描かれており、ドキュメンタリーに近い印象を受けました。

DCCの厳しいオーディションとトレーニング

ダラス・カウボーイズ・チアリーダーズは「America’s Sweethearts(アメリカの恋人たち)」の愛称で知られ、NFLチアリーダーの最高峰とも言われています。毎年オーディションが開催され、ベテランも含め全員が衣装を返却し、新人と同じスタートラインに立ちます。
オーディションに合格した後も、さらに1か月間の合宿で人数が絞られ、ようやく正式メンバーが決定。常に完璧なダンスやヘアメイクを求められ、観客を楽しませることを最優先に叩き込まれる厳しい世界です。

その一方で、少しのミスやチームに合わないと判断されるだけで不合格になるプレッシャーもあり、観ているこちらもハラハラしました。

意外と低い給料と過酷な環境

一番驚いたのは、DCCの給料の低さ。明確な金額は公表されていませんが、非常勤の教師やファストフード店のフルタイム勤務と同じくらいだと言われています。
そのため、ほとんどのメンバーが本業を持ち、例えば看護師や医療関係の営業、花屋のアルバイトなどをしながらチアを続けています。DCCの練習は基本的に夜なので、日中に仕事をして夜に練習するというスケジュールのようです。

DCCはNFLチアリーダーの中では比較的高給とされ、ベテランやリーダーはさらに報酬が上がる仕組みですが、それでも裕福な生活ができるレベルではなさそうでした。

さらに、NFLチアリーダーはチームの正式な従業員ではなく、独立請負業者という扱い。そのため、最低賃金の保証もありません。プロレベルのダンス技術が求められ、ヘアメイクも全て自分でこなすのに、報酬がそれに見合っていないのは納得しがたい部分です。チアに専念できる環境をもっと整えてあげられないのか?と疑問に思いました。

厳格なルールと安全対策

意外だったのは、ファンとの写真撮影のルール。DCCメンバーはファンと肩を組んだり、腰に手を回されたりするのが禁止されているそうです。そのため、ファンが手持ちぶさたにならないよう、写真撮影時にフットボールを持たせる場面もありました。

また、DCCの安全対策はかなり厳しく、サイン会のシーンでは屈強なセキュリティが側に常駐。実際に、エアタグを車に仕掛けられて自宅を特定されたり、尾行されたりと、ストーカー被害に遭うこともあるそうです。パフォーマンス中にカメラマンに体を触られるケースもあり、常に不特定多数の視線にさらされる立場ならではのリスクを感じました。

身長が理由で不合格?納得できなかった選考基準

個人的に疑問に思ったのは、合宿中の選考基準の一つ。「他のメンバーと比べて身長が低い」という理由で落とされた人がいたことです。
最終メンバーをあと2人減らさなければならない状況で、その理由を挙げるのは少し理不尽に思えました。その子は前年のオーディションで不合格になったものの、DCC本拠地に引っ越して仕事をしながらチアの練習を続け、再挑戦していたのに報われない結果に…。DCCの応募条件には体重や身長の記載はないのに、直前になってそれを理由に落とすのはどうなのか?と疑問に感じました。

全体的に、DCCメンバーの努力や情熱には本当に感動しましたが、給与や労働環境、安全面など、もっと改善されるべき点も多いと感じました。
華やかに見える世界の裏にある厳しさを知ることができ、考えさせられるドキュメンタリーでした。

Netflixで配信中。全話7話。

シーズン2の制作が決定したそうです。

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